第3章 基本的な型と演算子

Rustでは、静的型付け言語として、すべての変数と値には明確な型があります。この章では、Rustの基本的なデータ型と演算子の使い方について学びます。


スカラー型

スカラー型は、単一の値を持つ基本的な型です。代表的なスカラー型には以下があります。

  • 整数型(符号付き):i8, i16, i32, i64, i128, isize
  • 整数型(符号なし):u8, u16, i32, u64, u128, usize
  • 浮動小数点数型:f32, f64
  • 論理型:bool
  • 文字型:char
fn main() {
    let a: i32 = 10;       // 32ビット符号付き整数
    let b: f64 = 3.14;     // 64ビット浮動小数点数
    let c: bool = true;    // 真偽値
    let d: char = 'あ';     // 1文字(Unicode)

    println!("a = {}, b = {}, c = {}, d = {}", a, b, c, d);
}


複合型

複数の値をまとめて扱える型もあります。

タプル型
fn main() {
    let tuple: (i32, f64, char) = (42, 1.5, 'R');
    println!("{} {} {}", tuple.0, tuple.1, tuple.2); // 各要素にアクセス
}
配列型
fn main() {
    let array = [1, 2, 3, 4, 5];
    println!("2番目の要素: {}", array[1]);
}


型推論

Rustは多くの場合、変数の型を自動的に推論してくれます。

fn main() {
    let x = 100; // i32 と推論される
    let y = 1.5; // f64 と推論される
    println!("x = {}, y = {}", x, y);
}


演算子

Rustでは、以下のような演算子が使えます。

  • 算術演算子:+, -, *, /, %
  • 論理演算子:&&, ||, !
  • 比較演算子:==, !=, <, >, <=, >=
fn main() {
    let a = 8;
    let b = 3;
    println!("a + b = {}", a + b);
    println!("a > b = {}", a > b);
    println!("a % b = {}", a % b);
}


練習問題1.

整数・浮動小数点・文字・論理型の変数を使って println! で出力してください。


練習問題2.

2つの整数の加減乗除と剰余を求めるプログラムを作ってください。


練習問題3.

配列の各要素を1つずつ表示するプログラムを書いてください。