第2章 開発環境の構築

Rustでプログラムを書くためには、開発環境を整える必要があります。この章では、初学者でも迷わず始められるように、具体的な手順を紹介します。


Rustのインストール

Rustは公式のインストーラー「rustup」を使ってインストールするのが一般的です。

Windows/macOS/Linux 共通手順

公式サイト:https://www.rust-lang.org/ja/tools/install

端末で以下のコマンドを実行します

curl --proto '=https' --tlsv1.2 -sSf https://sh.rustup.rs | sh

このコマンドにより、rustup, cargo, rustc がインストールされます。

  • rustup: Rustのバージョン管理ツール
  • cargo: パッケージマネージャ兼ビルドツール
  • rustc: Rustのコンパイラ

インストール後は、以下のコマンドでバージョン確認を行いましょう

rustc --version


開発用エディタの導入

Rustの開発には、以下のようなエディタ/IDEが使われています

  • Visual Studio Code (VS Code)
  • 拡張機能「rust-analyzer」を追加すると補完・型情報・ドキュメント表示が可能になります。
  • IntelliJ IDEA + Rustプラグイン
  • CLion(JetBrains製の有償IDE)
  • モダンな文法: 型推論、パターンマッチ、マクロなど、現代的な言語機能を多数搭載。
VS Codeの設定例
  • VS Codeをインストール
  • 拡張機能で「rust-analyzer」を検索し、インストール


最初のプロジェクトを作成する

Rustでは cargo を使ってプロジェクトを作成します。

cargo new hello_rust
cd hello_rust

この操作により、以下のような構成が自動生成されます

hello_rust/ ├── Cargo.toml # パッケージ情報などを記述 └── src/ └── main.rs # メインソースコード
main.rsの内容
fn main() {
    // こんにちは、Rust!を表示する
    println!("こんにちは、Rust!");
}

このプログラムをビルドして実行するには

cargo run

実行結果

   Compiling hello_rust v0.1.0
    Finished dev [unoptimized + debuginfo] target(s) in 0.48s
     Running `target/debug/hello_rust`
こんにちは、Rust!