第2章 環境設定
Pythonのインストール
まず最初に、Pythonをインストールする必要があります。Pythonの公式ウェブサイトから最新のバージョンをダウンロードし、手元のマシンにインストールします。
Windowsの場合は、公式サイトからWindows向けのインストーラをダウンロードし、指示に従ってインストールします。Linux(Ubuntu)の場合、ターミナルを開き以下のコマンドを実行します。
sudo apt update
sudo apt install python3
インストールが完了したら、ターミナル(コマンドプロンプト)を開き、以下のコマンドを実行します。
python3 --version
これにより、Pythonのバージョン情報が表示され、正しくインストールされたことを確認できます。
IDE(統合開発環境)の設定
Pythonのコードを書くためには、テキストエディタが必要です。Notepadやメモ帳でも可能ですが、コード補完やデバッグなどの機能を持ったIDE(統合開発環境)を利用することをおすすめします。ここでは、無料で使えるIDEであるVisual Studio Code (VS Code) の設定を説明します。
まず、VS Codeの公式サイトからインストーラをダウンロードし、インストールします。その後、VS Codeの拡張機能であるPython extensionをインストールします。これにより、Pythonのコード補完やデバッグなどが可能になります。
パッケージ管理ツール(pip)の利用
Pythonでは、さまざまな機能を提供するパッケージをインストールして利用することが多いです。これらのパッケージを管理するためのツールがpipです。pipはPythonの標準ツールとして配布されています。
以下のコマンドでpipを使ってパッケージをインストールできます。ここでは例として、Pythonでの数値計算によく使われるnumpyパッケージをインストールしてみましょう。
インストールが完了したら、ターミナル(コマンドプロンプト)を開き、以下のコマンドを実行します。
pip install numpy
仮想環境の設定(venv)
プロジェクトごとに異なるバージョンのパッケージを利用したい場合や、パッケージの依存関係を明確に管理したい場合は、Pythonの仮想環境(venv)を利用します。これにより、それぞれのプロジェクトで必要なパッケージをインストール・管理でき、プロジェクト間でパッケージのバージョンが衝突する問題を防ぐことができます。
まず、プロジェクトのディレクトリを作成し、そのディレクトリ内で以下のコマンドを実行します。これにより、新しい仮想環境が作成されます。
python3 -m venv myenv
ここで、myenvは作成する仮想環境の名前で、任意に変更可能です。
次に、以下のコマンドで作成した仮想環境を有効にします。
Windowsの場合
myenv\Scripts\activate
Linux/Macの場合
source myenv/bin/activate
仮想環境を有効にすると、ターミナルのプロンプトが仮想環境名で始まるように変わります。これで、pipを用いてインストールするパッケージはこの仮想環境内に限定されます。
なお、仮想環境から抜け出す(非アクティブ化する)には、以下のコマンドを実行します。
deactivate
これらを順に学び、Pythonの環境設定を行うことで、より効率的にPythonを学ぶことが可能になります。